忍原地頭所神楽団(おしはらじとうしょかぐらだん)
忍原神楽団、地頭所神楽団と2つの団体として活動、それぞれ高齢化による団員不足により活動することが困難となり、お互いに活動する際は人員を補填しなんとか続けていた。今度も同じ状況が続く見込みであることから段を合併しともに地域を盛り上げ活性化させることで意気投合し現在に至る。
団長
小笠原 昇
発足時期
平成28年
保持演目
神迎え、塩祓い、恵比寿、悪狐、塵倫、鍾馗、土蜘蛛、大蛇、八幡
忍原地頭所神楽団の歴史
もともとは、忍原神楽団(大田市川合町)と地頭所神楽団(美郷町別府地域)、別の2つの神楽団だった忍原地頭所神楽団。
ともに人手不足が深刻になり、神楽団としての継続が不可能になりつつあったとき、ひょんな巡り合わせで、お互いの公演を手伝い合う間柄に。
1年半ほどお互いに公演などを手伝いあっていたところ、いっそのこと神楽団を統合しようという話になったそう。
大田市側では、団員が集まりやすい夜遅くの練習もご近所への配慮からしづらく、忍原神楽団の稽古場は相当狭かったとのこと。
現在は山間部の美郷町に集まり、のびのびと稽古に励んでいます。
2019年の美郷町産業祭前夜祭での神楽共演大会の映像です。
石見地域の神楽が日本遺産に認定されたことを受け、町内6つの神楽団すべてが集結して開催されました。
忍原地頭所神楽団の演目は「土蜘蛛(つちぐも)」です。
病に臥せる源頼光(みなもとのらいこう)が典薬の守(てんやくのかみ)のもとへ薬をもらいに侍女の胡蝶(こちょう)を遣わします。しかし典薬の守は、この世を魔国に変えようと目論む土蜘蛛の精魂に摂り食らわれており、胡蝶も敢えなく摂り食らわれてしまいます。 まんまと胡蝶に化けた土蜘蛛の精魂は毒薬を薬と偽り頼光に与え、頼光の病は益々重くなっていきます。夜も更けた頃、頼光の寝室に胡蝶が現れ、病状はどうか、と尋ねます。不審に思った頼光がよく見るとその姿は蜘蛛の化け物でした。瞬く間に千筋の糸を繰り出し、頼光をがんじがらめにしようとしますが、頼光は、枕元にあった源家の名刀、膝丸(ひざまる)を抜き払い、斬りつけました。すると、蜘蛛の化け物はたちまち姿を消してしまいました。騒ぎを聞きつけた四天王に事の次第を語り、名刀膝丸を蜘蛛切丸(くもきりまる)と改め、蜘蛛の化け物を成敗するよう四天王に命じた。このようなストーリーです。