美郷の神楽

一口に「神楽」といっても、里神楽、宮中神楽、日本全国様々なタイプの神楽が存在します。美郷周辺だけでも、石見神楽、大元神楽、出雲神楽、隠岐神楽など、地域によって様々、時代を経て互いに影響されながら発展し、今の神楽があります。
美郷で今も盛んな神楽。団員の高齢化や町の人口減、水害による神楽衣装の消失等により存続が危ぶまれた時期を乗り越え、現在6つの神楽団が活動を続けています
美郷の神楽は、子どもからお年寄りまで大人気。美郷の誇る郷土芸能です。

旧大和村神楽団の歴史


大和村には宮内、都賀西、都賀行、潮にそれぞれ神楽社中がありました。中でも都賀西社中は古く、当村では源流をなしていました。
多くは石見神楽の系統をひいているが潮社中だけは出雲神楽の本流を伝えていました。
都賀西井上家より小尾山八幡宮*に奉納された鍾馗*の鬼面には、森山藤左衛門作、文化二年(一八〇五)と記されており、この面は刀剣と一緒にあれば刀剣を食いこわすと言い伝えられています。
現在各地域の神楽団を統合、大和神楽団として確たる基礎を築いており、「鍾馗」は昭和五十一年、無形文化財として村指定となっています。

(『大和村誌(下巻)』p.582)

石見神楽

石見神楽

都神楽団(紅葉狩り)

石見神楽は、邑智郡では邑智神楽とよばれていて『石見神楽は出雲の佐陀神楽の流れを組むのだといわれているが、出雲神楽が入る前に田楽系の農民神楽が石見に行われていたろうと考える.......石見神楽は田楽系、能楽系、八幡系など多数の神楽の合流点より成り立つ』といわれています。(邑智町誌(下巻)p.754より)

豪華絢爛な衣装や多種多様な面を身にまとった人々が笛や太鼓のお囃子に合わせ、神話を題材として悠々と舞う*ものです。
お囃子には、「六調子」と呼ばれる神楽本来のものと、神楽再興のために編み出されたテンポの速い「八調子」のものがあり、様々な神楽の中でも、「石見神楽」においては後者、八調子のものが多くなっています。

現在では、災害時の避難誘導など安全対策の観点からホールや体育館などで演じられることが多く、夜を徹して舞われることも少なくなってきました。

それでも、美郷町を含む石見地域(島根県西部)では、今でも秋の収穫を感謝し、神社境内の「神楽殿(かぐらでん)」等で奉納神楽が盛んに行われています。

大元神楽

大元神楽

(乙原舞子連中:帯舞)

昭和二十七年三月無形文化財に指定された大元神楽(御網神楽、大元の舞、栲舞、託舞)は五年、七年ごとの式年に大元神鎮座の神社で行われています。

六調子の真髄ともいうべき舞で、神楽というよりもむしろ神事(託宣神事)と呼ぶべきで、宰神を中心に大きな注連縄を龍蛇に似せて、多数の神官がその縄に取りつき、歌をうたい祝詞をあげて神懸りの状態となり、祭主の神官が宰神より神の声を聞く、原始的な農神信仰の神事であって、この神事は二時間以上もかかり、極めて厳粛に行われそして神秘的なものです。

美郷町では、乙原舞子連中が大元神楽です。

(邑智町誌(下巻)p.754より)

2019年の文化庁による石見地域の神楽は日本遺産に認定されました。

※祝!日本遺産認定『神々や鬼たちが躍動する神話の世界 ~石見地域で伝承される神楽~

神楽道具

石見神楽を舞うには、様々な装具をまとい舞をより華やかで魅力的になります。神楽団により色や形は様々ですが、道具の一部を紹介します。ここでは都神楽団の道具写真をもとに、ご紹介!

道具名神楽鈴

神事的な儀式などで使用する神楽鈴は、神様の声を真似ていると言われています。
この音色を聞くと神聖な雰囲気になります。

 

神楽

道具名-ざい

鬼はこの「ざい」と呼ばれる棒を持ちます。鬼棒を床に叩いたあとはより激しい神との闘いが始まります。ご注目を!鬼棒の形は地域や神楽団によってが違うのも、神楽観賞の楽しみの一つではないでしょうか。

鬼棒

道具名神楽面

昔は木彫りでしたが、今では「石州和紙」が貼り重ねて作られており軽量です。1つの面を作るのに1か月ほどかかるとも言われる貴重な道具です。各神楽団や演目よって違いがあります。神楽面の違いを見て下さいね。

面

道具名幤

扇子と幤は、鬼を退治する神が持つ道具の一つです。




幤と扇子

道具名扇子

儀式や神がもつ扇子は、演目や神楽団により異なります。この扇子を華麗に回す様子は神楽を華やかにします。



扇子

道具名衣装

神楽をより豪華に演出する衣装は欠かせませんね。一針一針丁寧に職人さんの思いがこもった逸品は、演目や団により異なりますが重さ約 kg。重ね着しながら舞う舞子さんはさすがです。

衣装

道具名弓矢

神が鬼を退治する時の道具の一つです。




弓矢

道具名刀

神がクライマックスで鬼を退治する時の道具の一つです。
これまでいくつの鬼退治をしたのかな?!


刀

道具名大太鼓

神楽にはかかせない囃子。中でもこの大太鼓は舞をリードする最も重要な楽器。歌いながら叩く太鼓は熟練者が詰めます。この迫力で盛り上がりは格別なものになります。

大太鼓

装具名小太鼓

リズムよく手首をスナップしながら叩く小太鼓は周りの音を合わせるテクニシャン。
神楽のリズムは小太鼓が重要な役割をしています。このリズムに注目!

小太鼓

道具名手拍子

金属製の楽器。手のひらサイズの両手に持ってすり合わせて音を出しリズムをとる。
この音を聴くと、見ている人も、体がついついリズムに合わせたくなりますね。

手拍子

道具名笛

綺麗笛が鳴り響き始めると、おっ神楽がはじまったと慌ててみなさんが集まります。囃子のメロディという重要な役割。すべてをリードする役割。この音色で神楽を挽きたてます。

笛

(説明文:石見観光振興協議会発行「石見神楽演目紹介」参考)

神楽衣装とお花

華やかな神楽衣装は金糸・銀糸を惜しみなく使った一点物。地域の宝です。
ここでご紹介したいのは「御花」。
簡単に言えば、奉納社中への寄付のことです。
当然任意ですが、どの神楽団もこの御花や団員の持ち出しで、高額な神楽衣装や面の修理をしています。

神楽文化の継承に少しでもご賛同いただける方はぜひご協力ください。ほんの僅かでも、きっと楽屋にいる団員の方々は喜ばれるはずです。
一般的には、「お花代」「お初穂」などと書いたのし袋に入れて楽屋に持っていきますが、何も書かなくても、他の場所で関係者に渡しても大丈夫。
裸で渡す方もいらっしゃいますが、失礼にはあたりません。
住所・氏名をのし袋に書く場合は、表の左端下に書きます。
受付や主催関係者に渡すこともあるようです。
神楽道具の修理に興味のある方は、美郷から1時間ほどの浜田市に見学や体験が可能な工房もあるようですので、予約して行かれてはいかがでしょうか。

体験する

石見神楽の道具作り~体験@小尾山神社-神楽殿

石見神楽は、島根県石見地方に古くから伝わる伝統芸能です。歴史ある神楽殿の雰囲気を感じながら神楽の道具である御幣(ごへい)や鬼棒(「ざい」とも呼ばれる)を、一緒につくってみませんか?
道具づくりの後は地元の都賀西子ども神楽による神楽の演舞を鑑賞し、実際に衣装を着て舞ってみましょう!
舞い方は、子ども神楽の団員さんが優しく教えてくれますよ!

神楽体験

 

↓プログラム詳細・お申込はこちら → 石見神楽の道具作り~体 験@小尾山神社-神楽殿